Pandora Pocket

IT系と日常系の備忘録。三日坊主。

WINGプロジェクトさんがレビュワーの募集をされていましたのでまたレビューさせていただきました。

今回はASP.NET MVC5実践プログラミング。
基本的にWindows Server(正確にはIIS)でしか動かないこともあって割とマイナーではありますが、企業サイトなどそこそこの規模のサイトなんかで見かけますね。
と、その程度しか知識がなかったのですが、ずいぶん昔から作ろう作ろうとしていまだ作っていないウェブサイトの構築にあたっていろいろなCMSを使って結局しっくりくるものがないままに終わっており、自分で作ってみたいなと思ってましたのでこれを機に勉強しようかと。

この本は導入編、基本編、応用編と大まかに章がわかれています。

導入編

まずは導入編。
そもそもASP.NET MVCとはなにか。これまでのWebFormやWebPagesとどう違うのかについて記載されています。
そして基本となるプロジェクトの作成から始まり、コントローラー、ビュー、Razer、EntityFrameworkなどASP.NET MVCの基本となる部分についての基礎的解説が70ページほど。 ここだけですでにデータベースと連携してデータの取得、登録、更新、削除について触れられているので簡単なサイトなら作れてしまいそうです。

基本編

基本編は導入編の内容をより掘り下げて書かれています。
Webサイト構築では重要となる共通レイアウトを定義して用いる方法、モバイル対応といったビュー開発に関する情報のほかEntityFrameworkによるモデルの開発、ビューとモデルを仲介するコントローラーの開発について約250ページかけてがっつり記載されています。一回読んだだけでは当たり前ですが理解できっこないのでサンプルコードをもとに少しずつ理解したいところです。
特にEntity Frameworkについてはあまりきちんとしたわかりやすい文献を知らなかったので、Entity Frameworkについて学びたい人にもこの本はおすすめです。

応用編

応用編はASP.NET MVCそのものからちょっと離れて実際にウェブアプリケーションを作るうえで必要な知識が記載されています。 たとえばjQuery用いたウェブアプリケーションの動的な見た目の作成方法、単体テストの実行方法、ASP.NET Identity(認証)など。
特にASP.NET IdentityはVS2013で登場したライブラリですが、本当に簡単にTwitterなどと連携できるので是非とも触りたいところです。この本ではメールを使った認証とTwitterを使った認証についてサンプル付きで記載されています。

まとめ

全体を読んだ感想として、とにかく内容が濃いです。でも図解が多くて読みやすい。
MVC5についてここまでがっつり書かれた本はほかにはプログラミングASP.NET MVC 第3版 ASP.NET MVC 5対応版くらいしかない(私が知る限り)のですが、初心者でもわかりやすくてリーズナブル(プログラムASP.NET MVCは6480円、こちらは3500円)である点からまずはこの本を読むことを強くお勧めします。

あくまでASP.NET MVC5に関する本なのでC#がわかってない人(この本はVB向けの記載がない点に注意)は読んでても???ってなるかもしれませんが、あまりわかってない私が読んでいて理解できたので普通の人は 問題ないでしょう。
最近ASP.NET vNextの話題もいろいろ上がってきていますが、土台になる知識は変わらないそうなので、ここでがっつり学んでおくとよさそうです。

今お仕事でJSPを利用しているのですが、できればASP.NETに移行してくれと思う程度にASP.NETをやりたくなる一冊でした。おすすめです。